「………何時だ」
「11時。もうちょっと寝てろよ」
「いや……いい…起きる……。
…勇、学校は?」
「今日、日曜」
「そうか……」
ヒジリさんは大きく伸びをすると、起きると言いながら毛布を被りなおし、
もそもそとオレを抱き寄せた。
朝勃ちついでに合体した後(痛かった)、
「今日はどうする」となんとも無しに尋ねてくる。
「今日?」
「映画でも観るか?
何か見たいものでもあるのか」
「うーん……別に」
「じゃあ散歩にでも行くか。
勇は哲学堂行ったことあるか。
あそこは面白いぞ。妖怪博士が作った庭でなぁ」
「面白いの?それ……」
とりあえず駅前の喫茶店で朝メシでも食って、
どこに行くのかそれから決めるかとヒジリさんが言う。
なんかデートみたいだなぁとぼやくと
オッサンはまんざらでも無さそうに笑った。
あんま変わんねぇんだよな。男とか女とか関係なしに。
セックスも。
こんな容易いんなら、何も怖がることもなかった。
イヌノのことも、ほんっと。
あんな逃げ回らずに受け入れてやればよかったとか、
まぁほんと、今さら言い出しても仕方ないんだけど。
東 京 ラ バ ー ズ