屈辱刑事。  〜アッ そんなとこ触っちゃだめッス〜







「糸鋸刑事」

成歩堂くんが刑事課にやってきたのは、ちょうど自分以外誰もいない午後のことッス。
辺りに誰もいないことを確認してから、彼は真っ直ぐ自分の席に来たッス。

「御剣を助けられるのは僕だけなんですよ?わかっていますよね」

開口一番、ヤッパリくん……じゃなかったッス。成歩堂先生はそう言ったッス。
そう言ってネクタイをゆっくりと緩めたッス。

「わかってるッス……」

わかってるッスけど、でも。

「刑事さんは僕のために役立ってもらわなきゃいけない」
「……………悔しいけど、そうッス」

――悔しいけど、先生の言う通りッス。御剣検事が保留中の今、自分がしてあげられ
ることは弁護士先生に比べて少なすぎたッス。

「じゃあ、………して、ください。今すぐ」

耳元で、成歩堂先生は呟いたッス。
唇を舐める濡れた音。
……またッス。
また、この弁護士先生は、自分の弱みにつけこむつもりッス。

「またッスか……。
こないだ……した…ばかりじゃねッスか」
「ああ……こないだはこないだですよ。
アレはアレで楽しめました。
思ったよりがっつかれて……はは。
刑事さんの意外な一面が見れましたしね」

屈託も無く笑う成歩堂先生。
つられて笑いそうになって、唇を噛み締めたッス。

「そんな言い方……ヒドイッス」
「僕は褒めてるんですよ。可愛かったって。
ま、満足までは至りませんけどね」
「あれでは……足りねッスか……これ以上自分に何を……」

「いいから!時間が無いと言ってるでしょう!
御剣を助けたかったらさっさとしてくださいよ!!」


怒鳴り声に思わず身が竦んだッス。
………情けないッス。
自分だって刑事ッス。本来なら被疑者を怒鳴りつけるのは自分の役目なのに、こんな
経験の浅い弁護士にいいように言われて……。
でも、しかたねッス。
それもこれも、検事殿のためならば……この、男イトノコ、どんな屈辱でも受け入れ
る覚悟ッス。

震える指で、その……自分の大切なものを成歩堂くんの目に前に晒したッス。

「糸鋸刑事、それじゃよくわかりませんよ。
もっとちゃんとよく見せてください」
「くっ……。自分で……やらなきゃ駄目ッスか?」
「そうです」
「わかった……ッス」

ジッパーを下ろして、自分の……剥き出しのそれを成歩堂くんの目前に突きつけ
たッス。
羞恥を守る布一枚を取り去ってから、今朝まだ洗ってないことに気付いたッス。
汚れていたらどうしよう、匂ってたらどうしようと躊躇しながらも、自分は金縛りに
あったように動けなかったッス。

「へぇ……思ったより、キレイだな……。
なんだか、あんまり使い込んでないっぽいですね」

目と鼻の先で、値踏みでもするかのように成歩堂くんはそれをねめつけるッス。

「あんまり……見ないでほしいッス………」
「どうしてですか?
男同士、別に恥ずかしがるほどのことじゃないでしょう」
「でも……うひゃ!」

不意打ちで握られて、圭介、思わずヘンな声が出てしまったッス。

「さ、触っちゃ駄目ッス!」
「さすが刑事さん……太いな。それに…しなやかだ。
でも…………やっぱりキレイですよ。いい色をして……いる」

「あ……ああ、そんな風にしならせちゃだめッス!」
「何言ってるんですか……これはこうやって触るものでしょう?
ああ……すごいなこりゃ、固いですよ」
「ぐ……ぅ……!」

艶かしい手つきで根元から先端までを擦り上げられ、棒の先っぽがふるふると震え
てしまったッス。
じっとりと手に汗が滲むッス。
成歩堂先生は経験豊富なんスかねぇ。その……シロウト目にも扱いが上手で……
くっ!

「大体アンタ……!こんなことしている場合じゃねッス……!
け、検事殿は留置場なんスよ……ふ、不謹慎ッス!」
「今は……あいつの名は出さないでください。
それにこれだってあいつの……ために……」
「な、何言ってるんス……あ、あ!」
「ちょっと静かにしてもらえませんか?」

自分の口を塞ぐためか、成歩堂くんは先端の柔らかいところをきゅっと握ったッス。
繊細な箇所が傷つくのが怖くて、自分は動けねッス。

「ほら……先端から糸引いてますよ……凄いな」
「そ……そこは触っちゃだめッスよ!」
「どうして………?どうして触っちゃ……だめ…なんですか……?」
「いいから……指を……離して欲しいッス……うぅっ!そんな風に触ったら……っ!」
「触ったら…?」

あ、ああっ!

っ!




Top   Next